私の話
去年の夏に子宮ガンが分かって、今年の2月に子宮を全部取りました。社交ダンスを始める前までは別の競技のスポーツ選手を長年やってて。子宮ガンだと分かった時は正直ホッとしました。もう、辞めれる。
もう、これで色んな事から解放される。
そう思えちゃうぐらい、過酷な選手生活を10数年して来ました。
1日何時間にも及ぶ厳しいトレーニング。激しい減量。たくさんの怪我、骨折、手術。
今とは全く違う生活でした。選手として駆け出しの頃はトレーニングが嫌で嫌で。イヤ過ぎてトレーニング行くって言いながらトレーニングに行かずに車の中で寝たり(笑)でも、途中から破竹の勢いで試合に勝てるようになり、その頃からすっかりアスリートとして生きるようになってました。
今から思えば体に良いことなんてひとつも無く。
それでも子宮全摘の手術して、現役引退して、ホッとしてたんです。
今のパートナーさんから社交ダンスを一緒にやって欲しいと初対面で言われた時も、何か、人生やり直したいって思ってた時で。
始めたばかりの社交ダンス、楽しかった。アスリート時代と思うと格段に運動量は少ないけど、大怪我もしないし、なんか、なんて安全なんだろうって。
で。
子宮ガンの手術後、4回目の検査。
診察室の扉開けたら、先生のパソコン画面の検査結果の表の一部が反転してる。子宮ガンの時は、ここが
「悪性」
て、出てた。
「あの、今回の検査結果なんですけど、ちょっと、異常が見つかっちゃいましたね。」
摘出した子宮の跡のところ、異常病変が出来てた。検査結果はかなり悪かった。
「あの…全部取ったじゃないですか。子宮も。なのに、急になんで?ですかね…焼いたり出来ないですか?」
声が震える。
「このまま進んでしまうと、これを手術で取り除くはイタチごっこになってしまうのでね…すでに子宮も取ってしまってますし。このまま進んだら、抗ガン剤か放射線治療をしていく事になりますね…」
「……。」
私は。
何のために戦ってたんだろう。
これは、命を懸けてまでやるべき事だったのか。
あんなひどい事言われて、痛い思いして、苦しい思いして、食べたいものも我慢して。
自分の人格さえ変えて。
検査結果の紙をもらって、どうやって帰ったのかも覚えて無く。
火曜の夜に公園でダンスの練習をして、帰りにパートナーさんに話をしました。
でも、私の中ではもう、色んな事を諦めてて。
もう、今までの人生十分頑張ったし、もう、頑張れない。
次の結果が悪くても、もう治療はしない、そう思ってました。
なんか、色んな事を諦めると泣く気にもなれないもので。それだけ、もうこの世界に執着も無かったのかもしれません。こんな人生の終わりに、社交ダンスに出会えて良かった、いいパートナーさんに出会えて良かった♬
でも。
パートナーさんは諦めていませんでした。泣かない私の分まで泣いて
「諦めたらダメだよ!きっと、良くなるから!絶対良くなるから!」
と、言ってくれました。
そこから。
ダンスと共に私の病気を治す旅に出ました。
「奈良に有名な病気の願掛けの神社があるんだって。一緒に行こう!」
神社仏閣に興味も無かったのに、わざわざ私のために調べて連れて行ってくれて。免疫力が落ちてガン細胞と戦えない私のために色んな物を持って来てくれました。
「そんなにしなくていいよ💦大丈夫だよ。」
大丈夫、大丈夫。
なんか、大変な事ばかりだけど、大丈夫な気がしてきた。
そして、今日。
検査の結果。
「なんか、何でしょうね。病変、無くなってますね。」
……そんな事があるのか。
正常に戻ってた。
病院のベンチに座ってボーッと検査結果を眺めていました。
奈良、楽しかったな。
初めてワルツ踊れた時は嬉しかったな。
ずっと1人で戦って来たから、1人で頑張るのが当たり前になってた、
でも、これからは2人なんだな、て。
辛い事は2人で半分こ、楽しい事は2人で2倍。
今日は改めて思いました。
本当、ありがとう。
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